「想定外」連発で良いのか?台風被害拡大

2019年10月15日

「想定外!!」「経験したことが無い」・・・大きな自然災害の度に、必ず聞かされる言葉ですが、

 

予測可能な台風であれば、あらゆる事態を想定をした上で「想定内」と言える想定をして頂きたい

ものです。但し、想定した通りの指示勧告に住民が従うか否かも問われます。むろん空振り覚悟での

行動が求められます。

 

「台風慣れ」していない東北や関東甲信地方を襲った19号では、日が経つにつれ被害拡大の様子が

伝えられています。記録的な大雨で長野県の千曲川や首都圏の多摩川など37河川52ヶ所で堤防決壊し、

越水など181河川(10月15日現在)に及び、家が流されたり、倒壊しないまでも家中泥水に浸かり

多くの方が避難所生活を余儀なくされています。

 

避難に合われた方々や行政のトップでさえ、聞こえるのは「経験したことが無い」「想定外」の

言葉ばかりです。その一方で、TV等に登場する識者の方の多くが、「今回浸水地域の多くは、

ハザードマップのとおり」と指摘しており想定外ばかりではなく、或る程度は予測できていたはずです。

行政も注意を促したり、避難指示や避難勧告を出してはいますが、台風による今回のような「暴風雨」

の怖さをこれまで肌で感じたり経験した人がいなかったからでしょうか?

 

因みに、台風慣れしている九州沖縄地方の方から、台風被害で、想定外など聞いたことはありません。

私も中学3年生の時に、60年前の伊勢湾台風を経験していますが、

その時も、知多の海岸近くに住んでいた実家付近では私の家も床上2m程浸水の上半壊し家財の全てが

流され、隣り近所でも同様に数多く方々が被害をうけました。・・・が

海が近く、前々から台風の怖さや、対策に慣れていましたから、自宅の周りでは人的被害は皆無でした。

 一方で、名古屋市南部では、それまで台風による、豪雨や高潮の経験などしたことがなく、

気が付いたらアッという間に水が天井まで達し又、貯木場の流木がなだれ込むなどして約5000名の方々

亡くなるという悲惨な台風被害を受けました。

・・・この時は結果として、過去の経験が生死を分けることとなりました。

 

災害列島に住む者としての心構えは、行政も住民も今後は、集中豪雨、台風、地震等全ての災害を念頭に

想定外」をも、想定した上での対策が求められてます。・・・口で言うのは簡単ですが !

 

ところが、「想定外」は、往々にしてあり得るものとして最近身近に表れました。

「ラグビーワールドカップ2019」では「想定外」の結果をもたらしました。何故なら、日本チームが、

ロシア、サモアに続いて強豪スコットランドを破りベスト8進出を果たしたからです。

誰が、この結果を予測、想定したでしょうか?希望的観測としての想定はあったかも知れませんが、

真に、この結果を想定した人は皆無に近いはずです・・・このような想定外なら大歓迎ですが !

 さて、10月20日(日)の南アフリカ戦が楽しみです。・・・想定は?8位で終わるのか、

4位以上へ登りつめるのか!!

「想定外」と言われようとも、行けるところまで行ってほしいものです。

 

                                      令和1年10月15日

千曲川決壊

千葉台風